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従来のGoogleサイトを新しいGoogleサイトへ移行する

はじめに

Google Workspaceで提供されるサイト機能ですが、現在従来のサイトと新しいサイトと2つのサイト機能が提供されています。 従来のGoogleサイトは終了が予定されており、Google Workspaceのリブランド騒ぎに隠れていましたがここ最近よくお問い合わせをいただく状況です。特にGoogle Apps時代からご利用中のユーザ様は、社内ポータルをGoogleサイトで作成している会社様が多数いらっしゃるかと思います。今回はGoogle社が提供するサイト変換ツールとサイト移行について触れていきたいと思います。

従来のGoogleサイト終了までのスケジュール

Google社から以下のスケジュールで終了が案内されています。最近まで従来のサイト編集は2021年10月以降停止となっていましたが、先日管理者ヘルプ記事がサイレント更新され12月以降と変更になりました。

  • 2021年5月15日以降:従来のサイトの新規作成停止
  • 2022年12月以降:従来のサイトの編集停止
  • 2023年1月以降:従来のサイト完全廃止

※2021年5月20日現在従来のサイト新規作成が停止されているのを確認https://workspaceupdates.googleblog.com/2022/05/classic-sites-new-sites-timeline-update-may-2022.htmlしました。サイトコピーはまだできるようです。(2021年5月20日更新)

※2021年6月5日現在従来のGoogleサイトでコピーが継続利用できることを確認しています。このままコピーだけは継続利用できる可能性もありそうですね。(2021年6月5日更新)

※2021年11月17日Google Workspaceアップデートブログに公開された情報の通り半年間の延命が決まりました。(2021年11月17日更新)

※2022年5月16日Google Workspaceアップデートブログに公開された情報の通りさらに半年の延命が決まりました。(2022年5月18日更新)

新しいGoogleサイトの仕様を確認

新しいGoogleサイトでは、サイトの実態ファイルが所有者のGoogleドライブに作成される仕様に変更されました。これによりGoogleドライブの制限も併せて考慮する必要が出てきています。サイトを変換する際の影響はメーカー公開のページをご確認ください。制限が緩和されていました。(2021年11月15日更新)

  • 1ページあたりの文字数は半角1500万文字まで
  • 1サイトあたりの画像数は1万5千枚まで
  • ページ数は10,000ページまで
  • 1サイトあたり最大文字数4000万(半角)まで

お知らせテンプレートを使って掲示板代わりに利用されているユーザ様では3つ目が引っかかって変換できない場合があります。

移行は家の引っ越しと一緒

移行というキーワードで会話をすると、大半のユーザ様では、今あるデータ・機能をすべて新しいものに持っていきたいからスタートします。そもそもの利用実態が管理できていない会社様がほとんどというところがこの流れの根本だと思ってますが、使いもしないものをお金と時間をかけて移行しても仕方ないと思ってます。移行成功の秘訣は断捨離です。

利用実態を調査して断捨離しよう

現状調査のすすめ

従来のGoogleサイト管理ツールでは、各サイトの利用状況を確認する機能があります。フィルタの候補として見えている通り、過去1年以内の閲覧や編集なしのリストが出せたりします。まずはこの機能で大雑把にいる・いらないの判定をしてみてはいかがでしょうか?Google Analyticsを有効化しているサイトであればもっと細かく調査可能だと思います。

このサイト管理ツールは管理権限を他のユーザに渡すこともできるようになるそうです。サイトの管理が情報システム部門ではない場合などで、全体管理者権限なんて渡したくない場合に有効そうです。2021年5月20日アップデートブログより引用

以前のGoogleサイト管理ツール

次に上記で移行対象とした各サイトの移行実現性を確認します。サイトの[サイトの管理]ー[ページ]を開いて表示形式をリスト表示にすることでサイト内の総ページ数の確認が可能です。新しいサイトでは1サイトあたり10000ページまでの制限があります。スムーズに移行するためにはここでページ数をご確認いただき、移行可否を確認いただく必要があります。また、ページ数が10000ページを超えているサイトに関しては分割して変換する必要があります。この処理を行うにあたり事前にサイトをコピーしておかないと処理ができません。正確な情報ではありませんが、21年5月の時点で従来のサイトの新規作成が停止されるのと同時にサイトコピー機能も停止されると考えております。

ページ数の確認

サイト移行において嵌まるポイント

従来のGoogleサイトと新しいGoogleサイトは同じGoogleサイトサービスですが完全に別物のサービスとなっております。従来のサイトでできていたことが新しいサイトではできないということがいっぱいあります。それもかなりクリティカルな形でNGになるケースがありますので代表的な部分をここでご紹介していきます。

  • 従来のサイトで提供されていたテンプレートが使えない(お知らせ、ファイルキャビネット、リストなど)
  • ページ単位の権限設定ができない(サイトの構成に工夫が必要)
  • サイト埋め込み系のものガジェットなどが対応できない

お知らせテンプレートの変換

まずはお知らせテンプレートの変換を試してみます。この機能は掲示板として利用されている会社様が多いかと思います。ここでの最大の問題となりえるところは、サイト変換後新しい記事を投稿する機能がないということです。それではサイト変換を実施してみましょう。

サイト変換の警告

サイト変換を実行していただくと、上記画像のように変更に難がある箇所を警告してくれます。警告が出ているものは従来のサイトから仕様が変更され違う形で移行される個所になります。実際の変更後は下記のようになります。

変換後の新しいGoogleサイト

記事一覧と投稿日時が移行されましたが、新しい投稿ボタンがなくなっています。新しい記事を投稿するにはページを作成していただく必要があります。新しいページの作成にはサイトの編集権限が必要であり、触ってほしくない場所まで編集されてしまうリスクがあることをご理解ください。新しい投稿に対して投稿リストと投稿時間を自動的に表示させる方法はありません。また、記事内の添付ファイルはサイト変換を実行した実行ユーザのGoogleドライブ上に作成されます。

記事の添付ファイル

外部へのリンクやGoogle Workspace内のファイルや機能に対するリンクでも問題なく移行されます。

ファイルキャビネットの変換

続いてファイルキャビネットを変換してみます。新しいGoogleサイトではファイルキャビネット機能は提供されませんが、Googleドライブのフォルダとして変換されサイト内に埋め込むことが可能です。

ファイルキャビネット 変換

お知らせと同様に警告が表示されます。記載の通りですが、外部ファイルは変換を実行したユーザのGoogleドライブに配置されあたらしいGoogleサイト上に埋め込まれて表示されます。また、Google Drive上ファイルへのリンクについてはファイルへの直接リンクとして表示されます。

以前のGoogleサイト管理ツールがアップデート

7月22日のアップデートブログ(英語版)で情報が公開されていますが、以前のGoogleサイトの管理ツール上でサイト変換処理を一括処理できるようになりました。アップデートブログ内にも記載がありますが「サイトを変換できない場合、そのサイトはスキップされ、変換を開始したユーザーにメールで通知が届きます。」になりますので根本的には今までと変わりないと思います。何気に以下の機能が増えています。(2021年8月4日追記)

  • 一括変換機能
  • 編集停止機能
  • サイトダウンロード機能
以前のGoogleサイト管理ツール

サイトダウンロード機能の実態はHTML形式でのエクスポート再利用の実現性で紹介している内容と同じものです。ダウンロードの準備までが上記のダウンロードメニューから実施できるとお考え下さい。テナントの設計上Googleデータエクスポートサービスを無効にしていると利用できない機能となりますのでご注意ください。データエクスポートサービスを開いて下記のようになっている場合は設定がオフになっていますのでシステム管理者様へお問い合わせください。

Googleデータエクスポートサービス

変換ツール実行時の注意事項

変換ツールを使用して新しいGoogleサイトへ変換処理をすると、まず下書き状態の新しいGoogleサイトが出来上がります。この際ご注意いただきたいので出来上がった下書きをそのままにしておくと、従来のGoogleサイトの編集ボタンが非活性(効かない)になる事象を確認しております。変換前のサイトが更新されると新しいサイトへの移行がいつまでたっても終わらないよねというところに修正を入れてもらった形なのだと思いますが、編集できずに困っていらっしゃる方もいるようですので記事に追加してみました。

従来のGoogleサイト移行

ちなみに上記画像の通り、接続を解除していただくか、編集したいページを開いてキーボードのeキーを押下いただくと下書き状態が残っていても編集できることを確認しております。どうしても下書きが消せない場合はこの方法で回避してみてくださいね。(2021年9月9日追記)

まとめ

正直ベースでお答えしてしまうと、メーカーは変換機能を用意して満足しているようですが、とてもそのまま利用できる状態にはならないと思ってます。変換するにしても塩漬け目的としてなど割り切った利用をお勧めいたします。新しいGoogleサイトではレスポンシブデザインを提供していたり、JS・CSSなども利用できそれなりに使い道は出せると思ってます。新しいGoogleサイトを使って完全に新規でサイトを作るのも一つの選択肢です。いつまで社内ポータルサイトが必要なのか、それ以外で代用はできないのか、これを期にご検討いただくのも良いと思います。また新しいGoogleサイトのカスタマイズおよび、HTML形式でのエクスポート再利用の実現性については別記事に記載しておりますのであわせてご確認ください。この記事がサイト移行ご検討の一助となりましたら幸いです。