従来のGoogleサイトをHTMLファイルでエクスポート
目次
はじめに
従来のGoogleサイトの廃止スケジュールが案内され当サイトでもサイト変換ツールについて記事を掲載させていただいておりますが、もう一つの移行方法である従来のGoogleサイトをHTMLファイルとしてエクスポートした場合の再利用実現性について触れていきたいと思います。
前提条件
今回の記事で利用する機能はGoogle Workspaceで標準機能として提供されているGoogleデータエクスポートツールを利用して従来のGoogleサイトをHTMLファイルにエクスポートします。データエクスポートツールはその他のGoogleサービスにカテゴリされており、基本的にメーカーサポートが受けられないサービスになります。
Googleデータエクスポートツールでエクスポートできるもの
GmailデータのエクスポートもできるGoogleデータエクスポートツールですが従来のGoogleサイトにも対応しております。エクスポートできるものは以下の通りです。また、Google社の発表によれば、従来のGoogleサイトを変換せずに放置した場合の対応として、新しいGoogleサイトの下書きとHTMLファイルの提供を案内しています。
エクスポート前のファイル | エクスポート後のファイル |
---|---|
ページ | HTMLファイル |
画像 | アップロードされた元の形式 |
添付ファイル | アップロードされた元の形式 |
Googleエクスポートツールでエクスポート可能なサイトは、処理を実行するユーザが所有者として所有しているサイトのみが対象となります。全体管理者だからと言ってほかのユーザが所有するサイトのエクスポート処理は実施できませんのでご注意ください。
エクスポート手順をご紹介
それではエクスポートまでの流れをご紹介していきます。エクスポートされるファイル形式は圧縮ファイルであり、zipまたはtgz形式でのエクスポートとなります。
- Googleデータエクスポートツールへのアクセス
- 一度選択をすべて解除リンクでチェックボックスを全部解除
- 以前のGoogleサイトのみチェックボックスをオン
- [次のステップ]ボタンを押下
- ファイル形式とサイズを指定※1
- [エクスポートを作成]ボタンを押下
- ダウンロードリンクからファイルダウンロード※2
※1 ファイルサイズは1GB/2GB/4GB/10GB/50GBから選択できます。Windowsでよく利用されているLhaplusでは2GBまでのファイルしか解凍できないなど解凍ソフトによる制限がある場合がございますので2GB以下を推奨です。
※2 ダウンロードの準備が整うまでに時間がかかる場合があります。この処理はブラウザを閉じてしまっても継続して処理されますので、気長にお待ちください。
エクスポートしたファイルを確認してみます
エクスポートしたファイルはサブページや添付ファイルも含めてエクスポートされます。分割してダウンロードした場合は、サイト構造に合わせてフォルダやファイルの配置場所を調整する必要がありそうです。
お知らせテンプレートのエクスポート結果
従来のGoogleサイトにおいて人気のテンプレートお知らせです。エクスポートした後はどうなっているでしょうか?新規記事投稿はできるのか?添付ファイルはどうなっているのか?そもそも再利用可能なのか?気になるところだと思います。結果の画像が下記になります。
なんと!びっくりするぐらい綺麗に再現されています。さすがに新規投稿機能やコメント機能は再現できませんが、過去データの保存という観点では十分利用できそうですね。社内にWebサーバがあればそこに配置してもらって公開すれば、細かい権限設定も可能でしょうしなかなか良いのではないでしょうか?ちなみに添付ファイル付きの記事も下記のようにばっちり復元されます。
ファイルキャビネットのエクスポート結果
お知らせテンプレートと肩を並べて人気のテンプレートファイルキャビネットです。お知らせと同様に確認していきます。
こちらもいい感じに再現されました。Googleフォーマット以外のファイルは直接ダウンロードのリンクに、GoogleフォーマットのファイルはGoogle Driveへのリンクとして再現されます。さすがにファイルをアップロードする機能はありませんので、継続利用というよりは、保管を目的にしていただくと良いかと思います。
その他の機能のエクスポート結果
ポータルトップページではよく利用される最新の投稿ガジェットや最近更新されたファイルガジェットの扱いも確認してみます。左がエクスポート前のGoogleサイト、右がエクスポートファイルの状態です。
さすがに万能ではないことが露呈してしまいました。ガジェット系のものはエクスポートしても再現できないようですね。3rdパーティのガジェットなどを利用されている場合も同様に表示がうまくいかない場合があるでしょう。画像ではカレンダーも表示できていませんが、Google Workspaceのアカウントでログインしたブラウザで開いてもらえればカレンダーは表示可能なことが確認できています。
まとめ
今回の記事では従来のGoogleサイトをHTMLでエクスポートするとどうなるのかを確認してみました。再現度では、新しいGoogleサイトへの変換ツールを利用するよりもクオリティは高いのではと思います。ただし継続的にサイトを更新しながら利用したい要望は満たせませんので、過去データの保存と割り切ってご利用いただけるとよろしいかと思います。社内にWebサーバが準備可能なら利用者への提供も各ページの権限設定も容易です。本記事が皆様のサイト移行の一助となりましたら幸いです。